レポート公開|2024年12月21日(土)関西ダンマサークル「zoom読書会」

遅くなり申し訳ありませんが、2024/12/21(土)関西ダンマサークル「読書会」レポートを送付します。今回は12名が参加されました。

今回の読書会のポイント

満足の実践
物理的な不満は切りがない。 自分の最小限のリミットを決めて、達したら満足する。
精神的な満足追求は解脱するまで続ける。少し心が清らかになっただけで満足してはならない。もっと欲しいという気持ちは精神的な向上に入れ替えること。

五蓋
「異常な欲」、「瞋恚」、「沈鬱・眠気」、「浮つき・後悔」、「疑」という五つの障害は瞑想に邪魔になる。

▼ 2024/12/21(土) 関西ダンマサークル「読書会」レポート
・接続確認
・慈悲の瞑想
・読書会
今回のテキスト「沙門果経」仏道を歩む人は瞬時に幸福になる(サンガ新社、4,290円)ページ 219~251
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4910770917/jtheravada-22/
・話し合い
・廻向の文
※テキストを添付しています。

満足ー満足の実践

santuṭṭha = 満足 = 不満がない

仏教では二種類の満足を教える。物質的な満足と精神的な満足。

人々が求めるのは物質的な満足。
満足を得られるように努力する。でも、それを満たしたところで新たな不満が生まれる。
物理的な不満は切りがない。

人々はものを得ることで限りなく苦しむ。
生きるために必要なものは衣・食・住・薬。
人は欲望で満足に達するのではなく、苦しむことになる。

満足は得られないという真理。
問題点は我々の欲望は無限に増えること、ものは期待するほど我々に満足を与えてくれないことだ。

在家の満足の実践在家生活をする方々も、自分の最小限のリミットを決める。
妄想や夢に負けるのではなく、自分の能力に合わせて、実現できる程度の具体的にリミットを定める。

限度知らずの現代人は自己破壊を招く。
大事なポイントは「満足」。限度を決めて、努力する。自分が決めた限度を超えて、幸福になれる。
不満は病気。他の人に嫉妬し、社会全体を怨んだりする人間になる。

精神的な満足追求は解脱するまで続ける。
「いくらあっても足りない。もっと欲しい」という気持ちは精神的な向上に入れ替えること。

戒律は単にしきたりを守るというより、守ることで心を清らかにする方向に持って行くこと。
戒律を守ることは必修の瞑想実践でもある。
今まで学んだ四種類の戒律:
1.決まりや規則を守ること 2024/4/28読書会
2.出家として品格のある正しい生活をするという生き方 2024/5/18読書会 と 2024/6/15読書会3.感覚器官を管理して守るという感官の防護 2024/11/23読書会
4.満足の実践 今回の読書会

五つの障害ー障害の除去

「心に蓋をかけている、涅槃に蓋をかけている」障害は五つある、という意味で「五蓋」です。

五蓋①ー異常な欲 abhijjhā
欲には上限がない。限りない欲は精神病。
瞑想するというのは心の普通の次元を破って、向上させるとのこと。
心が健康でなければ、修行ができないので、瞑想修行に入る人は異常欲をなくさなくてははならない。
眼・耳・鼻・舌・身という五つの感官は色・声・香・味・触という五つの対象を欲しがっている。
欲の定義は対象による五感の刺激。

五蓋②ー瞋恚 vyāpāda-padosa
瞋恚は強く激しい怒り・恨み・憎しみ(異常な怒り)。
怒りにはランクがある。最小の怒りは対象を嫌うこと。異常な怒りは嫌な対象を破壊したいという一番強い怒り。
出家には、異常な怒りが起こらないようにするために、お釈迦様からのアドバイスがある。ノコギリのたとえ。「悪人が来て、自分を逆さづりにしてノコギリで切っている場合でも、あなたがその悪人に対して嫌な気持ちを抱くならば、私の教えを守っていないのだ」という内容。
慈悲の念で怒りを睡眠状態にする。

五蓋③ー沈鬱・眠気 thīna-middha
修行する場合は、いつでも明るくて活発な状態でいなくてはいけない。
鬱状態から抜けられないとか、どうしても元気になれないとかは、ただ単にsati(正念)で気づくだけでほとんどきれいに治っていく。
satiは観察すること。
瞑想する人は自分の生きることを観察する。いつも自分が行っている行為に意識を入れて観察し続けると、智慧が生まれてくる。
観察することで、鬱や睡眠などは消えてしまう。

五蓋④ー浮つき・後悔 uddhacca-kukkuccha
過去のことで後悔せずに、明るい気持ちでしっかりした方がよい。

五蓋⑤ー疑 vicikicchā
疑は心の中にはっきり物事を把握しようとしていない状態。
出家者は一切合切を捨ててるから、歩くときは気を付けて歩くとか、だから疑いはない。かなり落ち着いて疑いも消え、心は強くなる。

五蓋のたとえ

負債者のたとえ
異常欲の場合は負債をたくさん抱えた人のように心が落ち着かない。
異常欲がなくなった心の安らぎは借金を返してさらにお金が残っているぐらい気持ちのいいものだ。

病気のたとえ
異常な怒りの場合は病気にたとえる。病気にかかると身体の力がなくなるように、異常な怒りがあると心の力がなくなる。
病気の快癒は異常な怒りが消えたことに対するたとえ。

牢獄のたとえ
沈鬱と眠気の場合は、刑務所にとらわれた人のたとえ。刑務所にとらわれると、自由がなくなる。
心の中に沈鬱と眠気があったら自由ではない。
沈鬱と眠気が無くなった状態は牢獄から無事に解放されたような自由な感じになる。

奴隷のたとえ
浮つきと後悔は奴隷にたとえる。奴隷は嫌でも逃げれない。
浮つきと後悔から離れた心を奴隷が解放されて自由になり、喜びを味わう状態にたとえる。

荒野の道のたとえ
疑いの場合は荒野の道にたとえる。荒野の道を歩いている時に不安を感じる。
疑がある限りは心は不安定。

以上

次回、関西ダンマサークルは2月22日(土)13時からの予定です。参加希望の方は、mayadevi@zeus.eonet.ne.jp までメールにてご連絡ください。参加URLをお知らせします。

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