レポート公開|5月18日(日)関西ダンマサークル「読書会」レポート(「八正道大全」一回目)※ハイブリッド型

関西ダンマサークル「読書会」レポートを送ります。個人の要約と感想です。理解の参考になれば幸いです。今回もたくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。皆様のご参加と発言に感謝いたします。今回は八正道についての内容でしたが、八正道と聖なる八正道があると鼻声で繰り返しコメントしました。何度もしつこかったと後になって反省しております。テキスト「八正道大全」一回目ですが、総説部分の内容しか進みませんでした。これに懲りず、よければ次回もご参加ください。よろしくお願いいたします。レポートは長文になります。興味があれば読んでみてください。

●読書会テキスト
初期仏教経典解説シリーズⅡ「瞑想経典編」ページ16~43

▼2025年5/18(日)関西ダンマサークル「読書会」
・参加者18人
・最初に皆で「慈悲の瞑想」を行いました。
・瞑想経典編「八正道大全」一回目
・今回はチャプター①から③まで読みました
・中部経典 第117「大四十経」の解説
・八正道の解説ですが、経典ではお釈迦様は最初に「正定」の解説から始められます
・ここで通常の正定(sammāsamādhi)ではなく、わざと「聖なる正定(ariyo sammāsamādhi)」という言葉が使われている
・八正道とは、心を清らかにし、智慧が現れ、執着をなくし、覚りへと導く実践項目です。
・正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定
・各自で八正道を理解し実践しているが、そこでは個人の解釈が入り、解脱に至るための聖なる八正道になっていない
・お釈迦様は誰にでもわかる単語を使って八正道を説かれたが、実践項目には書かれていない部分がある
・「八正道」と、「聖なる八正道」があるというイメージ

・通常の正定の解説とは、心の統一のことで第一禅(初禅)から第四禅までの説明がされる
・「聖なる正定」とは禅定のことではなく、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念が整えられた状態であると説かれている
・八正道の七項目が実践され育ち、能力が均等にまとまった状態を示している
・この経典では、八正道をどのように完成させるのかという実践の仕方が説かれている

・正定というのは、統一(集中)した精神状態
・禅定の特徴は、遠離から生じる喜び
・遠離とは、世間や社会が嫌になり人を拒絶し孤独に生きることではない
・情報という刺激や感覚から生じる喜び楽しみを得ることに頼っていることから離れるという意味
・煩わしい刺激から離れると、精神的な落ち着きがあり、そちら方がより優れている理解していること
・本物の楽(精神的安定)を知っていること
・では「聖なる正定」とは何か?

・サンカーラ(行)という、衝動やポテンシャル(潜在力)が次の生を作る、輪廻を続けさせる原動力となる
・サンカーラが思考や妄想や行動に刺激を与え、さらなる生存のためのエネルギー蓄積をする
・悪行為をしても衝動が作られ、善行為をしても衝動が生れてくる
・お釈迦様は善悪を超え、そのサンカーラという生存の衝動自体が輪廻の原因であり危険であると説かれる
・八正道の実践において、その衝動を落ち着かせゼロにするのが「聖なる八正道」
・実践により衝動が生れなくなっていく、鎮静していくことが大事
・皆どうしてもやめられない思考妄想も、この衝動のせい
・実況中継するということではなく、すぐに思考妄想してしまうのは衝動が溜まっているから

・ここまでが「聖なる正定」の説明ですが、これから始まる内容の総説のような感じ
・通常の正定(八正道)があり、サンカーラ(衝動)をゼロにする「聖なる正定(八正道)」があるのだと理解しました

・「聖なる正定」の先頭になるのは正見
・正見とは、四聖諦を理解すること
・項目としては、10個の邪見(間違った見方)があると知っていること
・意味は、因果法則の否定

▼十個の邪見
①布施させるものはない
②献供されるものはない
③供養されるものはない
④善行・悪行の業の果報はない
⑤⑥この世、あの世はない
⑦⑧母はいない、父はいない
⑨化生の生けるものたちはいない
⑩この世とあの世を自らよく知り、目の当たり見て説く、正しく進み正しく実践している、沙門・婆羅門は世にいない

・すべて業論(行為と行為の結果)と因果法則(原因と結果)の否定になる
・因果法則を否定すると苦しみが増す
・邪見とは、仏教が正しく他宗教が間違っているという程度の低い理解ではない
・精神と物質があり、生命が行為している
・行為には、その行為の結果がある
・現象は原因と条件により結果が生れる
・原因と条件を変えることで結果が変わる
・因果法則を否定することは自ら不幸を招く
・どんな行為をしても神に許しを乞い、神を信仰すれば、必ず永遠の天国に行けるという理屈は成り立たない
以上です。

今回のテキストは八正道の理解を深めるためにも、とても興味深い内容だと思います。昔の施本や書籍をお持ちでしたら、改めて読み返してみるのも良いかと思います。八正道の項目は知っているけれど、何のための実践で、どんな実践効果があるのか、また心が清まる、智慧が現れるとは、具体的な実感がない、だから私には関係ないということは言えないと思います。自分の実践できているわけではないので偉そうに書きますが、八正道の理解と実践は仏道を進むために必須なものであると思います。シンプルにヴィパッサナー瞑想だけする、実況中継に専念するということも、道徳や戒律を守ってみる、慈悲の瞑想を徹底的にやる、それらも八正道の実践のうちに含まれると理解しています。日常生活で八正道を活かしてみる、生きること全般を八正道に基づいて実行していみる。そうすると心が育っていくという理解です。皆様はいかがでしょうか?

ご意見やご感想、内容としておかしなところがあればご指摘ご批判でもなんでも、コメントいだければ幸いです。よろしくお願いいたします。長文、失礼いたしました。

次回の読書会は未定です。日程が決まりましたら、改めてお知らせいたします。

文章:MA
撮影:LL

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