2/11(日・祝)の関西ダンマサークル「みんなでダンマ・ディスカッション」のレポートを送ります。今回、参加者は14名でした。
今回のレポートはテーマの報告だけではなく、話し合いからの勉強になったこと、勉強会の反省点、関西ダンマサークルの紹介も掲載します。よかったらお読みください。
▼2/11 関西ダンマサークル「みんなでダンマ・ディスカッション」レポート
まず皆さんと一緒に慈悲の瞑想をしました。
それから「最近の悩みごと又は困りごと」を皆さんにお聞きしました。身体(老化)の悩み、日常生活(雪、インターネット)の悩み等の話がありました。
その後、「 日常生活で失敗しないためのコツ(五蓋) 」というテーマで話し合いました。お釈迦様はアナータピンディカ居士に『パッタカンマ経』(増支部四集)で在家信者さんの幸福論を教えた。今回のテーマ(五蓋)はその経典の一部です。
今回のテキスト(添付)
テーラワーダ仏教「自ら確かめる」ブッダの教えページ48~63
パーリ語 パッタカンマ経 (増支部四集)Pattakammasutta (Aṅguttara Nikāya 4.61)
期待を叶える四つの方法
メインテーマ(五蓋)に入る前に、「期待を叶える四つの方法」を司会者に少し紹介されました(添付ページ48〜52)。
①納得すること(saddhā sampadā)在家の仏教徒は、お釈迦様が完全な悟りを得た正自覚者であると信じて、お釈迦様の教えに自分の理解能力では分からないことがあっても、とにかくブッダを信頼して真理であると認める。
②道徳を守ること(sīla sampadā)仏弟子は五戒を守る。
③分かち合うこと(cāga sampadā)分かち合うことは物惜しみ・ケチの反対。
④智慧を持つこと(paññā sampadā)仏教は智慧の教えだから、智慧はもっとも大切な財産。
成功を妨げる五つの障害(五蓋)
①異常欲(abhijhā)
生きる上では完全に欲を禁止することなど成り立たない。しかし、具体性のない欲の妄想はお止めなさいということ。理性を失って回転する妄想はあらゆる精神的な病いの原因。
②異常な怒り(vyāpadā)異常な怒りとは理由もなく、心が怒り憎しみで支配されていること。在家生活では、怒ったり、怒鳴ったりしないと上手くいかないときもある。しかし、具体性のない怒りの妄想を止めなさいということ。異常な怒りは精神的な病いになる原因。
③惛沈・睡眠(thīna-middha)いつもだるい、眠たい気分で、じっとしていたい、外に出たくないと、引きこもりがちになる。惛沈・睡眠は「無知」の状態に陥ってしまう。在家信者として必要な社会的義務を果たさなくなって、無気力でいるうちに、本人が社会からも捨てられてしまう。
④掉挙・後悔(uddhacca-kukkucca)掉挙は未来のことを妄想して焦ることで、後悔は過去に引っかかって暗くなること。 掉挙と後悔も精神的な病いになる原因。仏教の認める「反省」とは「二度とこのようなことはしません」と、理性にもとづき問題を分析して、自分を成長させること。
⑤疑(vicikicchā)理性のある人の疑(正しい疑)はデータをきちんと調べるまで、結論は保留するもの。悪い疑は、知識、能力、理性の不足によって現れる無知の疑。人生では次から次へ問題が起こるので、すぐ判断して、行動を取らなくてはいけない。無知の疑の人はいつまで経ってもなにもできていない状態になる。仏教における「疑」は幸福の障害になる。ブッダの教えが完全に理解できるはずはないから、自分に分かる範囲で理解すればいい。真理への疑いによって、心の明るさが失われてしまう。
五蓋を破ると心は成長する。
普通の在家信者さんが生活を向上させて幸福に暮らすために、五蓋を破るべき。瞑想の時にも日常生活にも、五蓋が機能しないように、いつでも気を付けておけば安全。
幸福のもととなるのは智慧。智慧があることは、五蓋がないこと。五蓋という汚れが心に入らないようにすれば、智慧が現れる。
皆さんとの話し合い
・瞑想の時に、ずっと気づきを持っていたら、暇がない。気づくことは次から次へある。妄想が出て来たら、感覚に戻って、常に実況中継する。
・吸い殻の火は簡単に消火できるが、火事になったら消火が難しい。瞑想の時に常に気づきを持っていたら、眠気が出た瞬間に気づいて、眠気がなくなる。しかし、眠気が出た瞬間に気づかなければ寝てしまう。それだったら、瞑想体制変更、顔洗い等が必要。とにかく、気付いた時点で可能な対象をやらないといけない。
・掉挙と後悔を無くさないといけないと思ったら、掉挙と後悔が増える。気づきを保ったら、掉挙と後悔が無くなる。
・異常な怒りは日常生活では怒らないだろうと思いがち。でも妄想によって生み出される。妄想では「私が正しい」という前提で、相手を押し付ける。爆発までできる。たとえば、一緒に暮らしている身内と怒って、とんでもないことになった。今のことだけではなく、過去の終わったことも思い出して怒った。
反省点
先日、ある方から「この勉強会は意味あるか。皆は勉強されているか。」と聞かれました。私は5年間ぐらいこの勉強会に参加しましたが、日常生活に適用するのはなかなか難しいです。例えば、異常な怒りを勉強しましたが、勉強会が終わった後で、ある出来事に怒りました。 やっぱり、気付きがなければ、感情に巻き込まれます。なので、気付きを持って、勉強会で学んだことを日常生活に適用できるように頑張りたいと思います。
関西ダンマサークルの紹介
コロナの時代に色々な地方でオンライン勉強会が始まりました。オンラインではどこからでも参加できます。各勉強会がテーマ、やり方、雰囲気等それぞれ違います。皆さんはご自身に合った勉強会を選ぶことができます。
関西ダンマサークルという勉強会は、現在、2種類あります。「zoom読書会」と「みんなでダンマ・ディスカッション」です。二つともオンライン又は対面参加できます。「zoom読書会」では参加者が順番でテキストを読んで、その後、感想、質問、意見等を自由に述べます。何か月も同じ本を読み続けますが、毎回参加しなくても問題ないです。「みんなでダンマ・ディスカッション」では、テーマについて話し合います。先ずは簡単な話題(例:お正月(三が日)にやったこと、最近の悩みごと)を少し話し合います。それから、テーマについて短いテキストを読みます。その後、テーマについて感想、質問、意見等を自由に述べます。
関西ダンマサークルでは話し合いの時間が設けられているので、参加者が自由に話し合いができます。途中参加又は途中退出も構いません。
次回は「zoom読書会」2月17日(土)13時~
興味のある方はぜひご参加ください。
生きとし生けるものが幸せでありますように
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