2024/9/14(土)に初心者指導有りの関西月例冥想会が行われます。詳細は下記お知らせバーをクリックください。

レポート公開|12/16(土) 関西ダンマサークル「zoom読書会」※テキスト「心配しないこと」第4章

▼12/16(土)関西ダンマサークル「zoom読書会」レポート
・参加者12名
・はじめに皆さんで慈悲の瞑想をしました。
・テキスト「心配しないこと」第4章「心を使いこなして幸せになる」~自己評価で成長する方法~
・以下、要約と感想を書きます。

・全体を通してのテーマは、慢(マーナ・測ること)
・慢とは煩悩であり、自己(価値・存在)を他者と比べること
・心の免疫機能を働かせる
・仏教心理学から、悪に対応する抵抗力として慚愧がある。
・慚(ざん・hiri)とは、悪行為を恥ずかしいと思うこと
・愧(ぎ・ottappa)とは、悪行為を怖がること
・心が悪に侵されないようにする
・理性がなくなると「自分なんかどうでもいい」「自分こそが偉いんだ」と調子に乗る・自我を張ることになる
・慢という自己評価することが度を越えると、理性が失われ心の抵抗力が落ち自殺してしまうこともあり得る。

・自己評価(存在)と上手く付き合う
・慢とは本能であり、価値を測らずに生きることはできない
・ですから、慢と制御して付き合っていく必要がある
・制御のために理性が欠かせない
・「こんなことしたらカッコ悪い」「見っともない」と思うこと、プライドを持つことでも慢を制御できる
・正しくプライドを持つことで、心を守ることができる

・慢の制御は日々学んでいくもの
・理性は意識的に育てていくべきもの
・「自我(変わらない私)は錯覚」であることに気づき、客観的な視点を持つ必要がある
・「感情があるのは自我があるから、その自我は錯覚に過ぎない」と肝に銘じる
・感情(悪)に流される心を一瞬で治す奇跡はない
・慢を正しく制御するためには瞑想することが有効
・一般的に制御するためには、感情的になったことを「紙に書き出す(反省・考察)」ことを提案
・感情的になったことで、どんな利益を得られ不利益があったのか書き出してみる
・感情的にやってしまった自分の行為や態度について俯瞰できれば、感情的になることが損失であると理解できる
・自分(感情)を戒めるためにトレーニングが必要

・自分を奮い立たせるためのエネルギーとして、慢のエネルギーを使うと結局は上手くいかない
・「あの人にできるなら、私にもできるはずだ」「あいつよりもいい点数を取ってやる」「あいつには負けたくない」「自分の方ができる」「ライバルに勝ちたい」「自分も周囲に認められたい」というようなことをモチベーションにすること
・これらは慢のエネルギー
・「学びたい」「自分の能力を役立てたい」「自分を成長させたい」という善エネルギーをモチベーションにした方が長持ちする
・ライバルに勝つために勉強するのではなく、何のために学ぶ必要があるのかと理解することで理性が育つ

・慢の焦点を善に合わせる
・周りに善い人や仲間がいるなら、その人たちと仲良くするよう努力した方がいい
・善い人とは、傲慢ではなく慈しみのある人など
・必ず影響を受けるから
・善い人や仲間は自分を受け入れてくれるかわかりませんが、自分が善い人になろうとする努力が見えれば歓迎してくれる
・「この仲間と一緒にいよう」「仲間外れにならないようにしよう」と頑張れば(同等慢を使う)、理性的に自分が善い人間になっていく可能性がある
・仲間を選ぶときは、理性で選ばなくてはいけない
・性格や趣味といった感情的に気が合う人ではなく、道徳的な善人を仲間として選ぶべき

・比べることより育てること
・善いプライドを持つ
・善い人間になる、人間として成長したいと思う
・比べるなら善人と自分を比べて、自分を育てるように慢を使う
・「怠けたい」「頑張りたくない」という気持ちよって、雪だるま式に人生の苦しみが増える
・日々怠けたい気持ちに打ち勝つ、自分がなすべことを行う
・そう実行することで善いプライドが育っていく

・習慣の力を借りる
・繰り返しトレーニングすることで習慣になる
・繰り返すことで脳に回路ができる
・心の成長も繰り返すことでしか実のならない
・失敗したとしても、苦労してでも、習慣になるまで続ける

・不安や心配があってもいい
・不安や心配を抱えると、それを早く消したいと思うもの
・不安や心配の感情に流されるのは問題ですが、しかし不安や心配が必ず悪とは限らない
・世界は変化が激しく、先が読めない(無常)
・理性的に危機感を感じるのは普通
・理性的な不安や心配によって、準備や対策・生き延びる方法を検討することができる

・歳を取ると頑固になる
・そういう傾向がある
・ある年齢になるといきなり頑固になるわけではなく、じわじわ頑固になっていく
・経験が見解になり、見解が増えることで頑固になる
・経験は大切ですが、見解に執着することで苦しみが増える
・頑固は人生の大敵である
・「頑固な子ども」は見当たらない
・歳を取ると、変化を受け入れられなくなる(自分の見解に執着する)
・人生の成功や失敗という経験が、強い感情と結びつきやすい
・頑固になり心の柔軟性を失うと生き難くなる
・「まだ学ばなければいけないのか」という思いは頑固は高慢な証拠
・頑固にならないために理性が必要
・相手の意見を聞くこと
・自分の意見が間違えている可能性があると意識する(謙虚)
・自分と違う多くの見解に触れ、それを否定せず理解し、受け入れる柔軟さが必要
・柔軟さが心を自由にする

・頑固や慢は自分で治すもの
・結局は自分を観察して、自分で気づいていくしかない
・他人からの指摘を素直に聞ける人は少ない
・また相手を正そうとするのは自分の傲慢さ、人間関係を壊すだけ
・他人ではなく自分を観察することで不安は小さくなる
・落ち着きを保つためには、自己観察が欠かせない(理性・気づき)
・人間は自分のことを見ようとしない、他人ばかり見る
・自分のことを棚上げにする
・自分を観察することで、煩悩(悪感情)が小さい火種の段階で気づけば大火事(問題)にならずに済む
・心の中で悪感情が増幅する前に対処した方が良い(妄想の虜になる)
・自分に問題の原因があると認めたくない
・例えば怒りは自我の錯覚が生んだ感情と認めたくない
・「あいつが悪い」「あいつのせい」と自分の悪感情を正当化すると、苦しみを育てることになる(理性を壊す)
・他人を自分が管理することはできない
・自己観察することで、心が暴走する危険を減らすことができる

・心を落ち着かせて状況をよく観察する
・客観的に状況を観察することを怠ると、感情や妄想が暴走する
・例えば、子どもが「学校に行きたくない」と訴える
・大人が反射的に、子どもの話も聞かず、「そんなこと言わないで学校に行きなさい」「授業についていけなくなったら大変だ」「近所に変な目で見られたらどうするの」「卒業できなかったらお先真っ暗」「不登校は社会の負け犬だ」「もっと強く生きろ」など、それぞれの見解・感情を押し付けると悩みや問題は解決しない。
・子どもが学校に行きたくない理由が何かあるはず
・問題が起きたときは、まず心を落ち着かせて、状況をよく観察する必要がある
・状況判断や観察能力も一日で身につくものではない、日々のトレーニングが欠かせない
・観察を繰り返すことで、徐々に観察能力が上がる

・本当に必要ものは、案外多くない
・観察することで、小欲知足(満足)を発見する
・充実感が得られる
・たくさんものを得ることが人生の幸福だと思っているが、もの得る幸福は脆くて不確か
・観察で自分が依存しているものを発見する
・観察で自分に必要なものがわかる
・観察で幸福はものではなく心が決めるのだと発見できる

・今、直面している現実は「今ここだけ」
・観察とは「いま・ここ」の瞬間に気づくこと
・すべての悩みは等価(どんな悩みでも、苦しいことにかわりない・同じ)
・生命の権利は平等(慈悲・行為に結果がある)

・究極の幸福とは、慢(煩悩)を根絶すること
・測るという煩悩を消すことが、すべての苦しみを消すことでもある
・自己観察によって自我の錯覚から目覚める
・自分の小ささに気づくことが第一歩
以上

 ということで、今回テキストにした「心配しないこと」を読み終えました。勉強会の途中で皆さんの感想やコメントなど、たくさん発言していただき、とても勉強になりました。それぞれの理解と自分の理解を比べ、その差を知ることも新たな理解になるなと思います。慢という制御、感情という制御、それらが同時に理性や自己観察にも繋がっていきます。読書会に参加してくださった方のお陰で、一冊の本を読み終え、仏教の理解が深まりました。ご協力、ありがとうございました。

 勉強会に参加された方や参加していない方でも、何か感想やご意見などコメントがあれば、どうぞ返信してください。更に学びが深まるかもしれません(MLに返信するのは、ちょっとハードルが高いと感じるかもしれませんが)。

●余談
最近、皮膚についての本を読んでいるので、同じようなことを書いてしまいますが、面白いと思ったことを紹介します。皮膚には様々な微生物や細菌などが住んでいるそうです。皮膚マイクロバイオーム(微生物叢)とか言うでそうです。人間の顔にいるニキビダニという生物がいて、これは誰の顔にもいて夜な夜な活動しているそうです。このニキビダニは、親などのスキンシップによる家族間で引き継がれるそうで、一種のタイムカプセルとして先祖の足跡を追うことに使える可能性があるとか。ところで、ニキビダニの寿命は約二週間だとか。なぜ死んでしまうかというと、ニキビダニには肛門がなく排泄できなくて死んでしまうようです。ちなみに、8本足だそうです。

あと、痒みの中で世界一痒い、最悪の痒みを引き起こす、「皮膚寄生生物掻痒感大賞」と言われるのが、アフリカのメスのブユの体内にいる回旋糸状虫(線虫)がいて、それに刺されて皮下組織で線虫が繁殖し、その線虫が死ぬと線虫の体内にいた最近が猛烈な痒みを起こすのだそうです。オンコセルカ症と言い、河川盲目症という通称でも知られるそうです。あまりの痒さに鉈などの刃物を使ってまで掻き続け、筋肉が露出してしまうまでになることも良くあるとか。死亡することはないそうですが、感染すると平均寿命が13年短くなるとか。痒いの嫌だなー おわり

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